【書くこと③】現実で起きる問題は少なくとも算数より難しいのに、
たとえば暗算であれば、「あれ、これはさっき計算したけど何だったっけ?」というように、一度やり終えたはずの繰り上がりの計算を何度もやってしまうなどといった思考のループに陥ることがあります。
ですが、紙に書いて計算すればこういった同じ計算を繰り返したりすることは避けられます。
なぜならすでに終えた繰り上がりの計算の答えが紙に書かれており、言い換えると、書くことによって「思考の通った跡」が視覚化されているわけです。 暗算では一度計算して出したはずの答えを忘れたりして脳が同じ考えを行ったり来たりとループしてしまう可能性がありますが、紙に書くだけでそういった堂々巡りを防ぐことができます。
頭だけで考えていると、紙に書けば誰でも解けるような小学生レベルの算数の問題ですら解くのが難しくなる。これが人間の脳です(異様に数字に強い人はもちろん例外ですが)。
現実で湧き上がる不安や悩み、問題は四則混合の計算式よりももっと複雑なもの。
それなのに「書くこと=視覚化」もせずに問題に対処しようというのは、全くもってナンセンスではないでしょうか?
もちろん書くことはあくまで問題を解決するための手段の一つです。
たとえば無職で借金苦に陥ってる人が自身の置かれた状況を書き起こしても、1円たりとも返せません(文筆業でもない限り)。
しかし、
「自分には収入源がない。では働かなくてはならない。でも就職口はどうすれば見つかるだろうか。そもそも今就職できないのはなぜか。身体を壊したからだ。では働かずに収入は得られないか。分からない。ということは自分には情報がない、どこで相談しようか」
というようにポンポンとスムーズに考えが進むかどうかは別にしても、現状を認識して解決策を探すことが頭の中で考えているだけでいるよりも、確実に効率的になるはずです。